「新しい学校のリーダーズ」の特徴
まず音楽ではない部分の特徴として、「一見ふざけているように見える態度と、キレのあるダンスのギャップ」が挙げられる。
これが魅力にもなっているわけだが、そこにはこのグループのコンセプトでもある「不寛容な社会から個性と自由ではみだしていく」の理念が見られるんだと思う。
そしてファッション面の特徴としては、「屋外でも上履きを履いていること」がある。
セーラー服と上履きの組み合わせはいかにも「伝統的なアイドル」な感じだが、屋外でも上履き、しかもその格好でキレのあるダンスと歌唱を披露することで、これまでのアイドルのイメージから逸脱した、それこそ「個性と自由」を感じさせるスタイルになっている。
「新しい学校のリーダーズ」の魅力
この「個性と自由」こそ、新しい学校のリーダーズの最大の武器であり魅力であると言えるだろう。
これまでのアイドルは、「未成熟」が最大のセールスポイントとされてきた。
まだ幼さを残した未成熟な女の子/男の子が頑張っている様子をファンが応援する、という構図が伝統的なアイドル文化だったわけだ。
しかし新しい学校のリーダーズには、そんな未成熟な面はほとんど見られない。
見られるのは強烈な個性と自己表現への意欲で、ファンは未成熟なアイドルを応援するのではなく、音楽やパフォーマンス、理念に共感したうえで応援する。
だから彼女たちのファンは、ある意味彼女たちの理念に共感した「同志」でもあるわけだ。
不寛容な社会に息苦しさを覚えている、または自由や個性を尊重されない環境で不満を覚えている人たちが、彼女たちのパフォーマンスに共感し、魅力を見出し、応援する。
ぼくもそんな「同志」のひとりであると自負している。
下手な踊りや歌を歌うアイドルを「がんばれ~!」と応援するような、「普通のアイドル」のファンとは違うわけだ。
もちろん、自分が選ばれたアイドルオタクなんて言うつもりはないけど。
いわゆる「オピニオンリーダー」とも言えるだろう。
だから新しい学校のリーダーズは、アイドルとしての面を持ち合わせている一方で、アーティストでもあり男女問わず多くのファンを獲得している。
しかももともと海外で話題になって日本で再評価されるようになった経緯があるのだから、その魅力はワールドワイド、と言ってもいいのだろう。
「新しい学校のリーダーズ」の代表曲
代表曲はなんと言っても「オトナブルー」だ。
発売は2020年だったにも関わらず、2023年頃から注目を集めるようになってスマッシュヒットを記録している。
しかもそのきっかけがTikTokの動画が海外で話題になったからだというのだから、面白い。
そのほかには「Suki lie」(2023)、「青春を切り裂く波動」(2023)、「じゃないんだよ」(2023)などが挙げられるだろう。
これらを見ても、新しい学校のリーダーズがまさに「今が旬」な人たちであろことがうかがえるのではないだろうか。