「ソラニン」のあらすじ
浅野いにお作の人気漫画を原作に、2010年に映画化されたのが本作「ソラニン」です。
主人公はOL2年目の井上芽衣子で、フリーターをしながら音楽での成功を目指す彼氏の種田と同棲しています。
芽衣子は彼氏の種田に反して、将来の希望もなく、周りの大人や社会に対し不満ばかりを募らせていきます。
そんな彼女はとうとう勢い余って会社を辞めてしまいました。
一方、彼氏の種田は大学時代からのバンド仲間、加藤とビリーと一緒にほそぼそとバンド活動を続けていました。
とはいえ、音楽で成功する見込みが一向に見えないため、種田は自分の才能なんて平凡だと逃げの姿勢ばかりを見せます。
そんな種田に芽衣子は苛立ち、バンドをやってほしいと熱い思いをぶつけます。
種田はそれを機にアルバイトを辞めて、音楽一本でやっていこうと決意を新たにするのでした。
そんな折に加藤とビリーと一緒にレコーディングしたのが、新曲の「ソラニン」です。
すると、デモテープを送ったレコード会社の一つから、良い反応が返ってきました。
話を聞きに種田とビリー、そして、芽衣子の3人でレコード会社の担当者に会うと、実はグラビアアイドルをアーティストとして売り出すためのバックバンドを探しているという話だったのです。
結局、その話は芽衣子が断ります。
それ以降、他のレコード会社からは反応がなく、何事もなく時間が過ぎていきました。
そんなある日、種田は突然、芽衣子に別れ話を持ち出します。
なんだかんだあって別れ話は和解し、二人はもう一度一緒に幸せになろうと誓い合ったのですが、なんとその直後に交通事故で種田が死んでしまうのでした。
ぽっかり心に穴が空いた芽衣子のもとに、2か月後、種田の父が訪ねてきます。
息子を忘れないでほしい、息子の生きていたことを証明し続けるのが芽衣子の役割だと言って去っていきました。
それを機に、芽衣子はギターを手に取ります。
そして、加藤とビリーとともに練習を重ね、あの「ソラニン」をライブハウスで演奏することになるのです。
「ソラニン」のキャスト
難しい役割の主演の芽衣子は、宮崎あおいが演じています。
また、恋人の種田役に高良健吾、バンド仲間の加藤役に近藤洋一(サンボマスター)、ビリー役に桐谷健太というキャストです。
近藤洋一は演技初経験だそうですが、なかなか渋い好演技を見せてくれます。
「ソラニン」の見どころ
恋人が突然いなくなって心に空白ができる芽衣子が、種田のギターを手に取る決意をするところが最大の見どころでしょう。
主演の宮崎あおいも、今まで歌のある役は逃げていたものの、逃げることなくしっかり向き合いたいとの思いで今作のオファーを受けたそうです。
厳しい現実を前にしても逃げ出すことなく立ち上がり、そして、ラストで種田の曲「ソラニン」を歌うシーンは胸が熱くなります。