「色即ぜねれいしょん」のあらすじ
「色即ぜねれいしょん」は、みうらじゅん原作の小説を田口トモロヲが監督した2009年の映画です。
みうらじゅんといえば「アイデン&ティティー」という音楽と青春の映画もありましたが、今作もボブ・ディランがモチーフとして登場し、ロックな生き方に憧れる若者を描いています。
時代は1974年、主人公は京都の仏教系の男子校に通う高校生、乾純です。
彼はボブ・ディランに憧れて、自らもギターを持って自作の曲を作ります。
ただ、ロックな生き方といっても、彼の家庭はごく一般的な中流家庭で、特に不幸もトラブルもなく、いやむしろ、とても幸せな家庭環境です。
それゆえ平凡ながら穏やかな日々を暮らしていたのですが、純はそんな平凡な暮らしから何とか抜け出したがっていました。
そんな純のもとに、ある日友人が旅の誘いを持ってきます。
その旅というのが、一般的な観光地とかではなく、夜行列車と船を乗り継いで行く隠岐島だったのです。
島に行けば大人になれる(性的な意味で)と妄想した純たち一行が島を訪れると…というのが基本的なあらすじです。
あとは実際に見てください。
「色即ぜねれいしょん」のキャスト
主人公の乾純役は、当時高校生バンドとして知られていた「黒猫チェルシー」の渡辺大知が務めています。
演技に関しては素人のはずですが、なかなか好演技が光ります。
平凡ながらロックな生き方に憧れる高校生役にぴったりでした。
ほかにも豪華キャストが脇を固めています。
ヒロイン役を演じる臼田あさ美は、男子高校生ならもれなく憧れるようなちょっとエッチなお姉さんという雰囲気でハマり役でした。
また、リリー・フランキー、峯田和伸、岸田繁(くるり)、堀ちえみなどの演技も見どころです。
「色即ぜねれいしょん」の見どころ
「色即ぜねれいしょん」を一言でまとめるなら「青春映画」となりますが、一般的な青春映画のイメージとはちょっと違うかもしれません。
ふつう青春映画というと、主人公が逆境を乗り越えようと苦闘するその過程を描くものですが、今作の主人公には不幸も逆境もありません。
平凡な日常を送る平凡な高校生のなんでもない物語です。
ただ、隠岐島という非日常な空間が彼を少し大胆にさせます。
しかし、その結果の行動が見ていてとても気恥ずかしいです。
オリジナルソング、ラブレター、デートの誘いなど、似たような経験をしたことのある男子ほど、まるで封印した恥ずかしい過去を掘り返されるような既視感で目をつぶりたくなります。
しかし、その気恥ずかしさこそが青春であり、それが青春時代にしか味わえない財産なのではないでしょうか。
みうらじゅんが好きな方はもちろん、充実した青春時代を送った方も、また、ほろ苦い十代だったという方もぜひ見てほしい作品です。