妄想の世界

文学的だがカオス「四畳半神話体系」

言葉の洪水、湯浅監督の色がよく出ている四畳半神話体系

湯浅さんの監督作品、森見さんのベストセラー、青春物語だけど通常の物語とは全く違う切り口というか妄想展開なので、僕みたいなやつはどんどん引き込まれる作品。
時計台の前で別の道を選んでいたら黒髪の乙女は振り向いてくれたんだろうか?キャンパスライフを素敵な時間にしたいと思う主人公が必死になって妄想するコメディ。
>>四畳半神話大系

このアニメを見ればわかると思いますが、見る人によっては何だこれ、うるさいし絵が嫌いという人もいると思う。
僕のようにサブカル好き、変わったものが好きという男子にとっては、この言葉の洪水、妄想、絵、全部寒気がするほど好きなんだよね。

ものすごく癖が強いキャラと独特な印象の主人公

とにかく出てくるキャラクターが濃い、しつこいくらいに癖が強い。
だからキャラが出てきてもすぐに覚えられるし、何より主人公もあくが強いタイプなんで、引き込まれ始めるとやばいくらいに入り込めるんだ。
世界が次々に変わっていく、妄想の世界だからどんどん場面が変わるんだけど、後半になるとそのエピソード同士がくっつき始める、これって湯浅さん、すごいですよ。

ただね、この作品を見る人は絵が気に入らなくても、なんだかうるさいなと思っても、最後まで見ないと全く違うストーリーで終わってしまう。
途中でやめると、この主人公本当に不幸しか背負ってないなって状態で終えることになる。
キャラも愛すべきキャラという人は少ないので、なんだか嫌な夏の集団だなと思って終わるので、ぜひ、最後まで見て「おー!」ってなってほしい。

あらすじはしいて言えば簡単、でも見ると複雑

あらすじを簡単にいうと、大学生活が4通り並行しているというイメージになる。
登場人物が濃いから四つの展開のストーリーが並行して動いているということを理解すると、物語がわかりやすくなるし、キャラ、主人公に感情も入ってくる。

僕もたまに大学であの時、あの子に思い切って告白していたら、今バラ色の人生だったのかもしれないとか、あの子と付き合えたらこんなデートをしたいとか、妄想する事があるでも、その妄想がよりすごくなった状態だと思えば、たぶん、妄想経験のある人ならわかってもらえる魅力があると思う。

通常妄想していてもハッとして、そんなこと起こらないから、時間は戻らないしやり直せないからって思うけれど、このアニメの妄想は、妄想からまた違う世界が始まっていくから気持ちがいい。
僕も、こうやって妄想していることから妄想世界が現実にならないかなーなんて思うのだ。